現代のビジネスでは、インターネットはもはや必須となっています。商品やサービスをインターネット上で広め、ビジネスの成功を高めるためには、適切な方法が必要です。その方法の一つとして、「Webマーケティング」があります。
しかし具体的に何をすればいいのか、どのようにやればいいのかをご存知の方は少ないのではないでしょうか。そこで今回はWebマーケティングについてその概要や種類、やる際のステップについて解説させていただきます。わかっちゃいるけど、始められない。そんな状況を打破するきっかけになれればと思います。
この記事を書いた人
川上サトシ。Webマーケター。合同会社ぎあはーと代表。東京学芸大学卒業後、ヴァイオリニストとして活動。その傍らで年間120本程度のイベント制作やプロデュース業を自営。そのときにWebマーケティングの重要性を痛感し、ネットオークション専門店やWeb広告会社を経て、Webコンサル会社のマーケティング担当として従事。地域密着型引っ越し会社のサイトをSEO施策により【半年で1万PVから20万PVまで成長させる】、上場アパレル企業の【売上を1年で3倍にする】など数多くの実績を残して2024年に独立。専門はSEOと広告運用。Webマーケティングを活用した「人の想いを売る」ための方法を日々研究、実践している。 |
Webマーケティングとは?
Webマーケティングというのは、インターネットを上手く利用して、自分たちの商品やサービスをより多くの人に知ってもらい、結果的に売上を増やすためのさまざまな方法や行動のことを指します。
たとえば自分のウェブサイトで定期的に有益な情報がのった記事を発信して、サイト自体が検索の上位に表示するようにする施策(SEO施策)があります。そうすることで多くの人の目にとまるようになり、サイト全体のアクセスが高まって購入が増えるのです。
Web広告の運用も重要な要素のひとつ。対象となる商品がどのお客さんに必要とされているかを分析し、彼らが買いたくなるような魅力的なデザインをつくってWeb上に表示させます。やり方によってかけた費用の何倍もの売上をつくることが可能となります。
またFacebookやTwitterなどのソーシャルメディア(SNS)を活用して自社のプロモーションを行うという方法もあります。さらにメールを使って購読者や顧客に直接情報を提供するという施策もWebマーケティングの一環です。
これらのさまざまな手法を駆使して、インターネット上で自社の商品やサービスをうまく宣伝し、売れる仕組みを作っていくことがWebマーケティングの目標なのです。
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い
デジタルマーケティングというのは、デジタル技術を使用した広い意味でのマーケティング手法のことを指します。これは、すべてのデジタルチャンネル、つまり、コンピューターやスマートフォン、タブレットなどを使ったメディアやチャンネル全てを活用するマーケティングの戦略です。つまり、テレビのCMや電子版新聞、モバイルアプリなども含まれます。
一方で、Webマーケティングはその一部分を担当しています。これはインターネット上で行われるマーケティング活動に特化した戦略で、ウェブサイトやブログ、ソーシャルメディア、電子メールなどを活用します。つまり、デジタルマーケティングが全てのデジタルチャンネルを使う広範囲な戦略なら、Webマーケティングはその中でも特にインターネットを使ったマーケティング活動に焦点を当てた戦略と言えます。
Webマーケティングの歴史
Webマーケティングの歴史は、インターネットと歩みを共にしてきました。インターネットが始まった1960年代、当初は主に軍事目的や科学研究で利用されていました。しかし1980年代に入ると、徐々に一般の人々も使うようになり、1990年代にはその利用者数が急激に増えました。そんな中、企業たちはインターネットの可能性に気づき、マーケティング活動に取り入れるようになりました。
Webマーケティングが始まった当初、よく見られたのがウェブサイト上のバナー広告や、ユーザーが検索したキーワードに関連したリスティング広告です。
2000年代が始まると、ソーシャルメディアが現れ、Webマーケティングの世界に大きな変革をもたらしました。ソーシャルメディアは企業と顧客が直接やりとりする場となり、顧客との信頼関係を深める強力なツールとなりました。
そして2010年代には、モバイルインターネットの利用が広まり、企業はスマートフォンやタブレット向けのウェブサイトやアプリを作り、顧客の行動に合わせたマーケティング活動を展開するようになりました。
2020年代に入ると、Webマーケティングはさらに進化し、複雑化してきました。AIやビッグデータの技術の進歩により、企業はより細かいターゲティングと効果的な測定ができるようになりました。さらに、新たなメディア形式の出現、例えばSNSや動画などによって、企業は顧客とのやりとりを多角的に行うことができるようになりました。
これらの歴史を見ると分かる通り、Webマーケティングはインターネットと共に発展し、変化してきました。今後も、技術の進化や人々の行動の変化に対応しながら、Webマーケティングはさらなる進化を続けることでしょう。
なぜWebマーケティングが必要?
成果を得るためにWebサイトがある
ビジネスの世界でWebサイトを運営する主な目的は、商品やサービスの売上を上げたり、新しい顧客の情報(リード)を集めたりすることで、明確な成果を得ることです。つまり、単にウェブサイトを運営しているだけではなく、そこから何らかの実績、たとえば具体的な販売数や新規顧客獲得といった成果を上げることが重要ということです。
ただし、これらの目標を達成するためには、ただWebサイトを立ち上げて待っているだけでは不十分です。それでは、誰もサイトの存在を知ることなく、アクセスもゼロに近いままだからです。
そこで必要となるのが、Webマーケティングの力。前述のとおり、Webマーケティングとはインターネットを利用して商品やサービスを宣伝し、顧客を引きつけ、そして最終的には売り上げを増やすための様々な手法と戦略です。これにより、Webサイトからの具体的な成果を最大化することが可能になります。
顧客のニーズを知ることが大切
サイト運営を成功させるにはただ単に商品やサービスを宣伝するだけでなく、あなたの顧客が本当は何を求めているのか、何に興味を持っているのかを理解し、それに応じた内容を提供する必要があります。つまり顧客のニーズと関心を把握し、それに合った情報やコンテンツを提供することで、顧客の信頼を勝ち取り長期的な関係を築くことが可能になるのです。
これは、単なる商品やサービスの販売を超えて、顧客との良好な関係を構築し、彼らにとって価値ある体験を提供することで、彼らが自然とあなたのビジネスに引き寄せられるような環境を作り出すことを意味します。これがWebマーケティングの真髄であり、その成功の鍵となる要点です。
効果が計測しやすい
Webマーケティングにはさまざまなメリットがありますが、その中でも特に注目すべき点は、その成果が短期的かつ明確に計測しやすいという点です。これは、伝統的なマーケティング施策と比較すると、非常に大きな強みとなります。
たとえば「Googleアナリティクス」等のツールを使うことで、訪問者の属性や行動、反応などをいつでも詳細に把握することができます。どのページから訪れたか、どのコンテンツにどのくらいの時間を費やしたか、どの広告をクリックしたか、どの製品をカートに入れたか、そして最終的に購入に至ったどうか等々、これらすべての情報を追跡することが可能となるのです。
そしてこの情報を分析することで、マーケティングの戦略が実際にどの程度の効果をもたらしているのかを短時間で客観的に評価することができます。これにより、何がうまくいっていて何に改善が必要なのかを明確に理解し、より効果的な施策を実行していくサイクルを速くすることが可能になります。
これに比べて伝統的なマーケティング手法は計測に少々難があります。たとえば街角でビラ配りをした際、受け取ってくれた人やそのビラで集客できたお客さんの男女比、年齢などの計測は非常に困難です。
このように、Webマーケティングはその効果を明確に数値化しやすく、最適化に向けた具体的なフィードバックを短い期間で導くことができます。これがWebマーケティングがビジネスにとって強力なツールである最大の理由のひとつです。
マーケティングはWeb上だけで完結できない!
とはいうものの、必ずしもマーケティングは必ずしもネット上だけで行うものではないということも理解しておかなければなりません。あくまでWebマーケティングだけに頼るのではなく、それを全体のビジネス戦略の一部として位置づけるべきです。
なぜなら顧客はオンラインだけでなく、オフラインの環境でもブランドや商品と接触します。たとえば、リアルな店舗でのショッピング体験、雑誌や新聞の広告、地元のイベントなど、これら全てが顧客の購買行動に影響を与える可能性があります。
そのためWebマーケティングとオフラインのマーケティング活動は、互いに補完し合い、一緒に働くことで最大の効果を発揮します。例えば、オンライン広告で商品を見た後、実店舗で試着をして購入を決めるといった顧客行動は一般的です。また、実店舗での優れたカスタマーサービスがSNSでの口コミとなり、新たなオンライン顧客を呼び込むこともあります。
したがって、Webマーケティングは確かに重要ですが、それだけでビジネスが成功するわけではありません。オフラインの活動と連携し、全体のマーケティング戦略の一部とすることが最終的な成功に繋がるのです。
ブランディングとマーケティングの関係性
ブランディングとマーケティングは、ビジネスの成功にとって重要な2つの要素であり、互いに関連しつつもそれぞれ異なる役割を果たします。
ブランディングは、あなたのビジネスや商品が何であり、何を代表するのかという基本的な理解を形成するプロセスです。これはあなたのビジネスのアイデンティティー、価値、約束、そして何よりもあなたが顧客に提供する体験を定義します。良いブランディングは、顧客の心にあなたのビジネスのイメージを刻み込み、それにより彼らの信頼を得てロイヤルティを構築します。
一方、マーケティングは、あなたの商品やサービスを顧客に知ってもらい、購入してもらうための具体的な活動を指します。これには、広告、プロモーション、販売戦略、ソーシャルメディアの使用などが含まれます。マーケティングの目的は、顧客の関心を引き、製品やサービスについての認識を高め、最終的には販売を促進することです。
ブランディングとマーケティングは独立した概念ではありますが、それらは互いに深く結びついています。ブランディングはマーケティング戦略をガイドする基盤となり、一方マーケティング活動はブランドのメッセージを伝える手段となります。良いブランディングはマーケティング努力を強化し、一貫性と認識を提供する一方で、効果的なマーケティングはブランドの価値を高め、その認知度を広げます。
つまり、ブランディングとマーケティングは共にビジネス成長のために不可欠な要素であり、互いに相補的に機能して最高の状態を作り出すことが必要なのです。
主要なWebマーケティング手法
この章では具体的なWebマーケティングの方法について、ひとつひとつ解説させていただきます。
SEO(検索エンジン最適化)
SEO(検索エンジン最適化)とは、特定のキーワードでGoogleやBingといった検索エンジンの検索結果で上位に表示されるように、ウェブサイトを最適化する戦略のことを言います。この目標を達成することで、ウェブサイトはより多くの人々に見つけてもらえる可能性が高まり、その結果として訪問者数が増え、ウェブサイトの知名度や影響力を広げることができます。
具体的には、SEOはウェブサイトの構造を検索エンジンが理解しやすくするテクニカルSEO、キーワードを含んだ質の高いコンテンツを作成するオンページSEO、他のウェブサイトからリンクを得るオフページSEOなど、さまざまな手法を組み合わせて実施します。
重要な点は、SEO施策が結果を出すまでには時間がかかることと、検索エンジンのアルゴリズムは常に更新されるため、SEOの戦略もそれに応じて柔軟に変化させる必要があるということです。しかし、正しい戦略と持続的な努力を組み合わせることで、SEOはウェブサイトのトラフィックを大幅に増加させ、ビジネスにとって価値ある結果をもたらすことができます。
▼SEOについてはこちらの記事をご参照ください!▼
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、特定の情報や物語を通じて顧客の注目を引き、彼らと信頼関係を構築するマーケティングの手法のことを指します。この戦略では、高品質で有益なコンテンツを提供し、顧客の問題解決を助けることで、商品やサービスに対する彼らの理解と興味を深めることを目指します。
コンテンツマーケティングにはさまざまな形式のコンテンツが使われます。例えば、ブログ記事では、深い洞察や意見を共有し、質問に答えることができます。ビデオは視覚的な体験を提供し、複雑な情報を簡単に伝えるのに有用です。インフォグラフィックはデータや統計を視覚的に表示し、理解を容易にします。eBookやホワイトペーパーは詳細な情報を提供し、顧客に深い洞察を提供するのに適しています。
コンテンツマーケティングの成功は、品質と一貫性にかかっています。顧客が有用で関連性のあるコンテンツを定期的に受け取ることで、企業はその専門知識と信頼性を示すことができ、結果としてブランドの信頼性と認知度を高めることができます。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、FacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディアプラットフォームを利用して商品やサービスを広めるマーケティングの戦略のことを指します。このアプローチでは、企業はこれらのプラットフォーム上で直接ユーザーと対話し、情報を共有したり、質問に答えたりします。
その結果、ユーザーとのエンゲージメントが増大し、その関心と忠誠度が高まります。SNSマーケティングは、このような対話を通じて顧客との深い関係を築くのが目的です。これにより、ブランドの認知度が高まり、消費者の信頼が強化されます。
その他の効果として、このようなソーシャルメディアの対話は、顧客の意見やフィードバックを直接収集する絶好の機会となります。これらの情報は、商品やサービスの改善、新たなマーケティング戦略の策定、顧客体験の向上に役立てることができます。また、共有されるコンテンツがユーザーによってさらに共有されることで、そのリーチ(到達範囲)と影響力が増大します。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、メールを用いて顧客と直接的なやり取りを行い、関係を深めるマーケティングの戦略です。この戦略では、企業は定期的にメールを送信し、その中には最新のニュースレター、商品やサービスの特別なプロモーション、または特別なオファーなどを含みます。
これらのメッセージは、顧客にとって役立つ情報や特別な割引など、何らかの価値を提供することを目指します。その結果、顧客はその企業に対する信頼と忠誠心を深め、結果的には更なる購入につながる可能性が高まります。
メールマーケティングは、ターゲットとなる顧客に対してパーソナライズされたメッセージを直接届けることが可能で、そのため非常に効果的な手法とされています。また、顧客からのフィードバックを得やすく、それによってマーケティング戦略をより良く改善できる利点もあります。
Web広告運用
Web広告運用とは、オンライン上で費用を支払って表示する広告を利用し、ウェブサイトへの訪問者の数を増やすための戦略のことを指します。これはウェブサイトの知名度を上げ、更には商品やサービスへの関心を高めるのに役立ちます。
これにはいくつかの有名なプラットフォームがあり、それぞれに独自の特性や利点があります。例えば、Google AdWordsは、Googleの検索結果ページやパートナーサイトに広告を表示するサービスです。ユーザーが特定のキーワードを検索すると、そのキーワードに関連した広告が上位に表示されます。これにより、広告は特定の関心を持つユーザーにターゲットを絞って表示され、訪問者の質と数を増加させることができます。
また、ソーシャルメディアプラットフォーム上で広告を表示するSNS広告もあります。たとえばFacebookはユーザーの年齢、性別、地域、興味など、非常に詳細なユーザーデータを持っているため、これを利用して特定のユーザーグループに対して広告を表示することが可能です。これにより、広告メッセージはより関心が高いと思われる人々に直接届けられ、効果的な結果を生むことができます。
さらに、動画広告もWeb広告運用の一部であり、ますます人気を博しています。動画広告は、YouTubeなどのプラットフォーム上で再生される動画形式の広告で、視覚的に鮮やかでストーリーテリングが可能なため、視聴者の注意を引きつけやすいのが特徴です。
たとえばYouTubeの場合、動画の前や中に広告が挿入され、視聴者は動画コンテンツを視聴する合間に広告も視聴することとなります。これにより広告は自然に視聴体験に組み込まれ、視聴者が広告メッセージを理解しやすくなります。ただし視聴していた元の動画とかけ離れた内容の広告が表示されてしまうと、逆に悪印象を与えてしまうというリスクも忘れてはいけません。
動画広告は視覚的に魅力的で、情報を豊かに伝えることができるため、広告の効果を最大化するための有効なツールとなっています。なお動画制作は時間とコストがかかる場合も多く、その効果を最大化するためには適切な戦略と計画が必要となります。
Webマーケティングのステップ
この章ではWebマーケティング施策を行うにあたってのおおまかな流れについてご説明させていただきます。
市場を調査して、戦略を立てる
Webマーケティングを成功させるためには、しっかりとした戦略が不可欠です。その戦略策定の一環として「フレームワーク」が活用されます。フレームワークとは、問題解決やプロジェクトの進行のための基本的な枠組みや方法論のことで、Webマーケティングにおいては、ビジネス目標の達成に向けてどのように行動すべきかを示す指南となります。
まず、ターゲットとなる顧客のニーズと興味を理解することから始めます。そのためには、市場調査や顧客インタビュー、データ分析などの手法を用いることが一般的です。そして、その理解をもとに具体的なビジネス目標を設定します。これは、売上の向上、新規顧客の獲得、既存顧客のロイヤルティ向上など、ビジネスにとって重要な成果を達成するための明確な指標となります。
次に、設定したビジネス目標を達成するための具体的なアクションプランを作成します。これは、どのマーケティング手法をどのように活用するか、どのようなメッセージをどのターゲット顧客に向けて伝えるか、どのようにコンテンツを作成し配信するかなど、詳細な戦略を定めるプロセスです。
このようなフレームワークを通じて、Webマーケティングの戦略は一貫性を持ち、各活動が全体の目標に向かって連携することができます。それにより、各活動の効果を最大化し、ビジネス成果の達成につなげることが可能になります。
クリエイティブを制作する
施策実行の前に、必要となるサイトページや画像、バナー、キャッチコピーや記事作成などのクリエイティブを用意します。すでにあるものを改善する場合は戦略に合わせて作り直したり、どちらのほうが効果が高いかを実験(ABテスト)をするため複数のパターンを作成することもあります。
施策を実行する
作成または改善したウェブサイトに訪問者を集めるため、前述のSEO(検索エンジン最適化)、SNSマーケティング、Web広告といったマーケティング施策を予算に合わせて適切に実行していきます。
結果を集計して改善する
Webマーケティング施策を行う上で、その効果を定期的に評価し、分析することが最も重要です。ウェブサイトの訪問者数、ページビュー、滞在時間、コンバージョン率など、様々なデータを施策の前後で比較し、成功度を確認します。さらに効果を高めるためにはどのような改善が必要なのかを明確に把握し、戦略の見直しおよび新たなクリエイティブの作成や施策の立案へと繋げていきます。
Webマーケティングというのは決して、一度限りの施策で成功するといったものではありません。この章でご説明した流れを何度も繰り返すことで、目的を達成していくのです。
クリエイティブは非常に大切
Webマーケティングにおいて、クリエイティブな要素は非常に重要な役割を果たします。戦略に合ったデザインや独自性の高いコンテンツが訪問者の興味を掻き立て、エンゲージメント(反応)を向上させる効果があるからです。
例えば、ビジュアル的にわかりやすいウェブデザインは、訪問者がウェブサイトに初めて訪れたときの行動を決定します。彼らがサイト内をさらに探索する意欲を感じ、長く滞在しやすくなればなるほど、サイトの目的である商品の購入に繋がりやすくなるのです。このようにクリエイティブはコンバージョン(目的達成)へつながる可能性を直接的に高めます。
またオリジナルなコンテンツは、ブランドの独自性を示すだけでなく、訪問者の信頼を得るのに役立ちます。情報満載のブログ記事、感情に訴えるビデオ、視覚的に魅力的なインフォグラフィックなど、ターゲットの顧客にとって価値のあるコンテンツを提供することで、顧客とのつながりを深め、彼らのブランドに対するロイヤルティを高めることができます。
つまり、Webマーケティングにおけるクリエイティブな要素は、単に「見栄えを良くする」だけでなく、ブランドの認知度を上げ、顧客エンゲージメントを高め、最終的にはビジネス成果を向上させるための重要なツールなのです。
Webマーケティングに有効なツール
この章ではWebマーケティング施策において非常に便利なツールについてご紹介していきます。
MA(マーケティングオートメーション)
マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動を自動化することにより、業務効率化、生産性向上を図るツールです。MAツールは、見込み客の獲得から育成、そして成約までの一連のマーケティング活動を自動化することで、マーケティング担当者の負担を軽減し、より効果的なマーケティング活動を行うことができます。
MAツールの機能
マーケティングオートメーション(MA)のツールは、様々な機能を持っています。以下に、その主な5つについて説明します。
メール配信
これは、あらかじめ設定したスケジュールやトリガー(特定の行動や時間)に基づいて、自動的にメールを配信する機能です。例えば、新規顧客へのウェルカムメールや、特定の商品を閲覧した顧客へのフォローアップメールなどが挙げられます。
ウェブサイトのアクセス解析
これにより、ユーザーがあなたのウェブサイトをどのように使用しているかを詳細に追跡し、分析することができます。どのページが一番人気なのか、どのページで最も多くの時間を過ごしているのかなど、ユーザーの行動パターンを理解することが可能になります。
セミナーやイベントの管理
イベントの告知から参加者の登録、リマインダーの送信、後日のフォローアップまで、イベントの全プロセスを管理することができます。
キャンペーンの管理
各マーケティングキャンペーンの実施状況を一元的に管理することができます。どのキャンペーンが最も反応が良いのか、またその理由は何かを追求し、次のキャンペーンに活用することができます。
データ分析
MAツールは大量のデータを収集し、それを分析して有益な洞察を提供します。これにより、マーケティング活動の成果を測定し、戦略の改善に活用することが可能になります。
これらの機能を活用することで、企業は効果的かつ効率的なマーケティング活動を実施し、その結果を最大化することができます。
MAを利用することで得られる5つのメリット
マーケティングオートメーション(MA)を導入することで得られるメリットは数多くありますが、ここではその主要な5つについて具体的に触れてみましょう。
業務効率化
MAツールを導入することで、マーケティングチームにとって手作業で行う時間のかかる作業を自動化することができます。これには、メールの送信、ソーシャルメディアの投稿、レポート作成などが含まれます。これらの作業が自動化されることで、チームは他の重要な戦略的な作業に集中することが可能となり、全体の業務効率が向上します。
生産性向上
上述の業務効率化により、マーケティングチームはより高いレベルの戦略的な作業に注力することができます。これにより、生産性が向上し、より多くの作業を短時間で行うことが可能になります。
顧客満足度の向上
顧客に適した内容を適切なタイミングで提供することで、顧客満足度を向上させることが可能になります。さらに、一貫したコミュニケーションにより、顧客体験が一貫性を保ち、これが顧客のブランドに対する信頼を深めます。
コスト削減
手動での作業時間を大幅に削減することで、人件費の節約につながります。さらに、自動化されたプロセスはミスを減らすため、その修正に関わるコストも削減することが可能となります。
これら全てが組み合わさることで、MAはマーケティングチームがより効果的かつ効率的に業務を遂行することを可能にします。
MAツールの導入を検討する際には、自社の課題やニーズに合ったツールを選ぶことが重要です。また、ただ単純にMAツールを導入しただけでは効果は得られません。効果的なマーケティング活動を行うためには、ツールを活用したマーケティング戦略を策定し、実行することが重要です。
MAツールの代表的な例
MAツールの代表的な具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
・Pardot(パドルコット) ・Marketo(マーケト) ・HubSpot(ハブスポット) ・Salesforce Sales Cloud(セールスフォース セールス クラウド) ・Microsoft Dynamics 365 Sales(マイクロソフト ダイナミクス 365 セールス) |
これらのMAツールは、それぞれに特徴や強みを持っており、自社のマーケティング活動に合ったツールを選択することが重要です。
CMS
コンテンツマネジメントシステム(CMS)は、ウェブサイトの作成・運用・管理を手間なく行うことが可能なツールです。ウェブサイトの各種コンテンツを一元的に管理することができ、その利便性から多くの企業や組織で利用されています。
CMSのメリット
このシステムの大きなメリットは、コンテンツの作成が容易な点です。独自の編集インターフェースを通じて、ユーザーは文章を書いたり、画像をアップロードしたり、ビデオを埋め込んだりすることができます。そしてこれらは全てコーディングのスキルがなくても可能です。
また、CMSはコンテンツの公開も容易にします。作成したコンテンツを公開するための手順が明確になっており、公開日時のスケジューリングも可能です。これにより、タイムリーな情報を効率良く配信することができます。
さらにサイト更新の面でもCMSは非常に便利です。コンテンツが時代遅れになったり、誤った情報が掲載されてしまったりした場合でも、CMSを使えばすぐに修正や更新を行うことができます。
これらの機能を通じて、CMSはウェブサイトの管理を簡易化し、その効率を大幅に向上させます。これにより、企業は情報の提供やブランドのメッセージングにより集中することが可能になります。
CMSの種類
CMSには、オープンソース型とパッケージ型の2種類があります。
オープンソース型
ソースコードが公開されているCMSで、無料で利用することができます。カスタマイズが自由にできるので、自分のニーズに合わせてサイトを構築することができます。しかし、セキュリティ対策やメンテナンスなどの知識が必要になります。
パッケージ型
ベンダーが開発したCMSで、ライセンスを購入する必要があります。初期費用やライセンス費用は発生しますが、セキュリティ対策やメンテナンスなどのサポートを受けることができるので、オープンソース型よりも手軽に利用することができます。
CMSの代表的な例
オープンソース型
・WordPress(当サイトはこちら) ・Drupal ・Joomla |
パッケージ型
・ShareWith ・Movable Type ・Blue Monkey |
CMSを選ぶ際には、Webサイトの目的やコンテンツの内容、予算、自社のスキルなどを考慮して、最適なCMSを選ぶようにしましょう。
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールとは、ウェブサイトに訪れるユーザーの行動パターンやサイト内での活動状況を詳細に追跡し、それをデータとして収集・分析するために特化したツールです。これにより、ウェブサイトの利用状況を深く理解し、ユーザーの行動傾向を把握することが可能となります。
具体的には、ウェブサイトへの訪問者数(トラフィック)、各ページの閲覧数、ユーザーがサイト内でどのような動きを見せているか(ユーザー行動)などを把握できます。また、どのページから訪れたか、どのページで離脱したかといった情報も収集することができます。
このような情報は、マーケティング戦略の成果を客観的に評価する上で極めて重要です。例えば、特定のマーケティングキャンペーンがウェブサイトへの訪問者数を増加させたのか、特定のページのデザイン変更がユーザーの滞在時間を長くしたのかなど、具体的な戦略の効果を数値化して評価することができます。
また、ユーザーの行動パターンを理解することで、ウェブサイトの改善点を見つけることも可能です。例えば、多くのユーザーが特定のページで離脱している場合、そのページに問題がある可能性があります。このように、アクセス解析ツールはウェブサイトのパフォーマンスを最大化するための重要なツールと言えます。
アクセス解析ツールの代表的な例
・Googleアナリティクス ・Yahoo! JAPAN Web Analytics ・Adobe Analytics ・Matomo ・Plausible |
アクセス解析ツールを選ぶ際には、Webサイトの目的、予算、自社のスキルなどを考慮して、最適なツールを選ぶようにしましょう。
ABテストツール
ABテストツールとは、同じウェブページや広告の2つの異なるバージョン(通常はバージョンAとバージョンB)を対象のユーザーにランダムに表示し、どちらがより望ましい結果をもたらすかを科学的に評価するためのツールです。この手法を使用すると、ユーザーの実際の行動に基づいて、ウェブページや広告のデザイン、コンテンツ、配置等を調整することが可能となります。
例えば、ウェブページのボタンの色や形、広告の見出しや画像、メールマーケティングの件名など、小さな変更がユーザーの反応に大きな影響を与えることがあります。ABテストツールを使用すると、これらの要素を組み合わせて最も効果的なデザインやコンテンツを探し出すことができます。
さらに、ABテストツールはウェブサイトのユーザーエクスペリエンス(見やすさ、使いやすさ)の向上に貢献します。どのデザインやメッセージがユーザーにとって魅力的であるかを見つけ出し、それをウェブサイト全体に適用することで、ユーザーがウェブサイトを使いやすく、満足度を感じる環境を提供することができます。
また、最終的な目標は通常、コンバージョン率の最適化です。これは、ウェブサイト訪問者が目標とする行動(例えば、商品の購入、メール購読、ダウンロードなど)を取る割合を指します。ABテストにより、どのバージョンが最もコンバージョン率が高いかを確認し、それに基づいてウェブサイトや広告を最適化することができます。
ABテストツールの代表的な例
ABテストツールには、無料のものから有料のものまで、さまざまな種類があります。代表的なABテストツールをいくつかご紹介します。
・Google Optimize ・Adobe Target ・VWO・ConvertKit ・Unbounce ・Instapage ・HubSpot ・Landingi ・Wishpond ・GetResponse |
これらのABテストツールは、いずれも基本的な機能は備えています。しかし、機能や価格、サポート体制などは異なります。そのため、自社に最適なABテストツールを選ぶことが大切です。
まとめ
今回はWebマーケティングについて、その概要や施策の流れ、便利なツールについて徹底解説させていただきました。
ウェブサイトの目的は新規顧客獲得や既存客のリピートを通じて成果を得ること。これを達成するために、Webマーケティングの施策が必要となります。
まずは市場と顧客のニーズを理解し、それに応じた戦略を立てる。そして正しい手段を実行して、結果を踏まえて改善する。なによりも大切なのは、このサイクルを繰り返し継続していくことです。
決してマーケティングは魔法ではありませんので、一度きりの施策で売上が爆発的にあがるわけでもありませんし、ネット上だけで完結するものでもありません。そして答えがあるものでもありません。日頃から地道に研究と実験を続けていくことで長期的に目的を達成していくという姿勢を忘れずに、ぜひ今日から取り組んでみてください!
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