INPとは、ユーザーがページを操作してから画面が反応するまでの速さを測る指標です。FIDとの違い、SEOへの影響、測定方法、改善の進め方をWeb担当者向けにわかりやすく解説します。

ページ自体はすぐ表示されているのに、ボタンを押しても反応が遅い、スマートフォンでメニューを開くと重い、フォーム入力中に少し待たされるといった違和感は、サイト改善の現場で見落とされやすい課題です。
こうした操作後の反応の遅さを測る指標が、INPです。
INPは、表示速度だけでは判断しにくい操作した後の使いやすさを数値で確認できるため、SEO担当者やWebマーケターにとっても重要な確認項目です。
2024年以降は、これまで使われていたFIDに代わり、Core Web Vitalsの主要指標として扱われるようになりました。
そのため、検索順位だけでなく、CVRや離脱率、問い合わせ完了率などを改善したい場合にも、INPの理解は避けて通れません。
そこで今回は、INPの意味・SEOとの関係・測定方法・改善の考え方を実務目線でまとめました!
まずは専門的に考えすぎず、ユーザーが操作した後にストレスなく反応するページを作るための指標として押さえていきましょう。

INPとは?まずは「操作した後の反応速度」と考えよう!

INPはユーザー操作への反応の遅さを測る指標!
INPは「Interaction to Next Paint」の略で、ユーザーがページ上で操作してから、次に画面が更新されるまでの時間を測る指標です。
つまり、ページが表示されるまでの速さではなく、ページを使い始めた後の反応のよさを見るためのものです。
対象になる操作は、クリック、タップ、キーボード入力など、ユーザーが明確に行う操作です。
たとえば、ボタンを押す、メニューを開く、フォームに文字を入力する、検索条件を変更するといった行動が該当します。
一方で、スクロールやマウスを乗せるだけの動きは、INPの主な対象には含まれません。
INPの数値が小さいほど、操作に対してページが素早く反応している状態です。
反対に数値が大きい場合は、ユーザーが押したのに反応しない、入力しているのに画面がついてこないと感じやすくなります。
SEO担当者やWebマーケターは、INPを単なる技術指標ではなく、サイトの操作ストレスを見つけるための指標として捉えると理解しやすくなります。
INPの目安は200ミリ秒以下!数値の見方を押さえよう!
INPの評価は、数値ごとに大きく3段階で判断されます。
200ミリ秒以下であれば良好、200ミリ秒を超えて500ミリ秒以下であれば改善が必要、500ミリ秒を超えると不良と考えます。
この数値は、1回だけの操作ではなく、実際のユーザー体験をもとに評価されます。
特に重要なのは、ページ内で発生した操作のうち、反応が遅かった操作が評価に影響しやすい点です。
たとえば、ページの大部分が快適でも、資料請求ボタンやフォーム入力だけが重い場合、そのページの評価が悪くなる可能性があります。
また、INPは多くのユーザーの体験をもとにした75パーセンタイルで判断されるため、一部の速い環境だけで問題がないように見えても安心はできません。
スマートフォンとパソコンでは処理能力や通信環境が異なるため、両方の結果を確認することも大切です。
まずは難しく考えず、主要ページで200ミリ秒以下を目指すことを改善の出発点にすると、社内でも目標を共有しやすくなります。
INPが悪いと、ユーザーにもSEOにも悪影響が出やすい!
INPが悪いページでは、ユーザーが操作してもすぐに反応が返らず、サイト全体に対して使いにくい印象を持ちやすくなります。
特に、ボタンを押した後に反応が遅いと、押せていないと判断して何度もタップしたり、エラーだと感じて離脱したりする可能性があります。
ECサイトの商品購入、問い合わせフォーム、会員登録、資料請求、予約ページなどでは、こうした小さな待ち時間が成果に直結します。
そのため、INPの改善はSEO順位だけを目的にする施策ではありません。
ユーザー体験、CVR、離脱率、フォーム完了率などにも関係する、サイト全体の成果を支える改善です。
Core Web Vitalsは、検索エンジンがページ体験を理解するための指標であると同時に、運営者がユーザーの不満を見つけるための手がかりにもなります。
検索順位を上げるためだけにINPを見るのではなく、ユーザーに選ばれ続けるサイトにするための確認項目として扱うことが大切です。
FIDとの違いを知ると、INPの重要性がスッとわかる!

FIDは最初の操作だけ、INPはページ全体の操作を見る!
以前のCore Web Vitalsでは、操作の反応性を測る指標としてFIDが使われていました。
FIDは、ページを開いた後の最初の操作に対して、ブラウザが処理を開始するまでの遅れを測る指標です。
一方、INPは最初の操作だけでなく、ページを閲覧している間に発生する複数の操作を対象にします。
つまり、ページを開いた直後は問題がなくても、メニューを開く、フォームに入力する、検索条件を変更する、カートに商品を追加するといった操作で遅さがあれば、INPで課題が見つかりやすくなります。
これは、実際のユーザー行動により近い評価方法です。
Webサイトでは、ページが表示された後に多くの操作が発生します。
特に、比較検討型の記事、商品一覧、申込フォーム、会員向け画面などでは、読み込み後の操作体験が成果を左右します。
FIDからINPへの変更は、単に指標名が変わっただけではありません。
評価の視点が、最初に反応できたかから、最後まで快適に使えるかへ広がったと考えると理解しやすくなります。
INPは3つの遅れに分けると原因を見つけやすい!
INPは、操作してから画面が反応するまでの時間をまとめて見る指標ですが、改善時には3つの要素に分けて考えると原因を整理しやすくなります。
1つ目は入力遅延です。
これは、ユーザーがクリックやタップをしてから、ブラウザがその操作を処理し始めるまでに待たされる時間です。
2つ目は処理時間です。
これは、操作に応じてJavaScriptなどが実行され、必要な処理を終えるまでの時間です。
3つ目は表示遅延です。
これは、処理が終わった後に、画面へ反映されるまでの描画やレイアウト計算にかかる時間です。
たとえば、ボタンを押してから画面が変わるまで遅い場合でも、原因がJavaScriptの重さなのか、描画処理なのか、外部タグなのかによって対策は変わります。
マーケターがすべての実装を理解する必要はありません。
ただし、どの操作で遅いのか、どの画面で起きているのか、どの端末で目立つのかを整理できると、エンジニアとの会話が進めやすくなります。
マーケターは専門実装よりも「重いページを見つける視点」が大切!
INPの改善には、JavaScript、ブラウザの描画処理、イベント処理などの専門的な知識が関係します。
そのため、実装そのものはエンジニアに相談する場面が多くなります。
ただし、SEO担当者やWebマーケターにも重要な役割があります。
それは、実際のユーザー行動に近い視点で、重く感じるページや操作を見つけることです。
特に確認したいのは、問い合わせフォーム、商品一覧、検索結果一覧、ハンバーガーメニュー、アコーディオン、料金表、比較表、カート周辺などです。
これらはユーザーが能動的に操作する場所であり、少しの遅れが離脱や不安につながりやすい領域です。
また、CVに近いページほど、INP悪化による機会損失は大きくなります。
社内で共有する際は、専門用語だけで説明するよりも、ユーザーが押した後に待たされている状態と伝えるほうが、改善の必要性が伝わりやすくなります。
表示速度のスコアを見るだけでなく、実際に触ってストレスがないかを確認する視点が大切です。
INPの計測方法!まずは無料ツールで現状を把握しよう!

PageSpeed Insightsでページ単位のINPを確認する!
INPを確認する最初の方法として使いやすいのが、PageSpeed Insightsです。
調べたいページのURLを入力するだけで、モバイルとデスクトップそれぞれのパフォーマンスを確認できます。
INPは、実際のユーザー環境をもとにしたデータがある場合、Core Web Vitalsの項目として表示されます。
ページ単位で確認できるため、まずはトップページ、流入の多い記事、CVに近いフォームページ、商品ページなどから確認すると効率的です。
ただし、アクセス数が少ないページや十分な実測データがないページでは、INPが表示されない場合があります。
この場合は、同じテンプレートを使っているページや、サイト全体の傾向もあわせて見る必要があります。
PageSpeed Insightsには改善提案も表示されますが、すべてを同じ優先度で対応する必要はありません。
まずは、ユーザー数が多いページ、売上や問い合わせに近いページ、明らかに操作が重いページを優先すると、限られたリソースでも成果につなげやすくなります。
Search Consoleでサイト全体の課題ページを見つける!
サイト全体のINP状況を確認したい場合は、Google Search ConsoleのCore Web Vitalsレポートが役立ちます。
このレポートでは、実際のユーザー体験をもとに、モバイルとパソコンそれぞれのページ体験を確認できます。
URLは個別に並ぶだけでなく、似た問題を持つページグループとして整理されるため、テンプレート単位の課題を見つけやすいのが特徴です。
たとえば、記事ページ全体で同じウィジェットが重い、商品一覧ページだけ絞り込み操作が遅い、フォームページの入力処理に時間がかかっているといった傾向を把握できます。
SEO担当者は、まず不良または改善が必要と判定されたURLグループを確認し、アクセス数やCVへの近さをもとに優先順位をつけるとよいでしょう。
すべてのページを一気に直そうとすると、工数が大きくなりすぎます。
記事ページ、カテゴリページ、商品ページ、フォームページなど、ページ種別ごとに課題を整理すると、改善計画を立てやすくなります。
定期的に数値を確認し、改善後の変化を追う運用も大切です。
LighthouseやChrome DevToolsで原因を深掘りする!
PageSpeed InsightsやSearch Consoleで課題ページを見つけた後は、LighthouseやChrome DevToolsを使って原因を深掘りします。
Lighthouseは、ページのパフォーマンスや改善候補を検証環境で確認できるツールです。
本番環境の実測データとは異なりますが、どのような要素がページを重くしているかを把握する手がかりになります。
Chrome DevToolsでは、JavaScriptの実行時間、ロングタスク、レンダリング負荷、レイアウト変更など、より細かい原因を確認できます。
たとえば、クリック後に長い処理が走っているのか、外部スクリプトがメインスレッドを占有しているのか、画面の再描画に時間がかかっているのかを切り分けやすくなります。
ただし、これらのツールで得られるデータは、検証した端末や通信環境の影響を受けます。
そのため、実際のユーザー環境を示すフィールドデータと、原因分析に使うラボデータを併用することが重要です。
マーケターは、どのページで、どの操作が、どの端末で遅いのかを整理して共有すると、改善の打ち手につながりやすくなります。
INPを改善する方法!効果が出やすい順に取り組もう!

まずは不要なJavaScriptや重い処理を減らす!
INPが悪化する大きな原因の1つが、JavaScriptの実行負荷です。
ページ上で多くのJavaScriptが動いていると、ユーザーが操作したタイミングでブラウザがすぐに反応できなくなることがあります。
まず確認したいのは、使っていないコード、重複しているタグ、古い計測ツール、不要になった広告タグや外部スクリプトです。
チャットツール、ヒートマップ、ABテストツール、ポップアップ、レコメンド機能などは便利ですが、積み重なるとページの反応を遅くする要因になります。
すべてを削除する必要はありませんが、事業成果に本当に必要か、読み込みタイミングを遅らせられないか、対象ページを限定できないかを見直すことが大切です。
優先度の低いJavaScriptは、初期表示や重要な操作を妨げないように後回しにする方法もあります。
マーケティング施策では、ツールを追加する判断は頻繁に発生します。
そのたびに、便利さと操作性への負荷をセットで判断する姿勢が、INP改善では重要になります。
ロングタスクを分割して、操作を待たせないページにする!
ブラウザが長い処理を続けている間は、ユーザーの操作にすぐ反応しにくくなります。
このように、長時間メインスレッドを占有する処理はロングタスクと呼ばれ、INP悪化の原因になりやすい要素です。
たとえば、一覧の絞り込み、検索候補の表示、フォーム入力チェック、複雑な計算、アニメーション処理などが重い場合、クリックや入力に対する反応が遅くなります。
改善の考え方は、重い処理を一度にまとめて実行するのではなく、小さく分割してブラウザが操作に反応できる余地を作ることです。
すぐに必要ない処理は初期表示後に回したり、ユーザーの操作に関係しない処理は優先度を下げたりする方法があります。
エンジニア領域の対応になることが多いため、マーケターは具体的な実装指示よりも、どの画面のどの操作で待たされるかを明確に伝えることが大切です。
「商品一覧の絞り込み後に2秒ほど固まる」「フォーム入力中に文字反映が遅れる」といった共有ができると、改善箇所を特定しやすくなります。
画面の再描画やアニメーションを軽くする!
INPは、操作に対する処理だけでなく、その結果が画面に表示されるまでの時間も含めて評価されます。
そのため、JavaScriptの処理が終わっていても、画面の再描画やレイアウト計算が重いと、ユーザーは反応が遅いと感じます。
確認したいのは、アコーディオン、モーダル、ハンバーガーメニュー、画像拡大、タブ切り替え、フォームエラー表示など、操作後に画面が変化する部分です。
大きな画像の表示、複雑なCSS効果、大量のDOM要素、派手なアニメーションなどは、見た目の印象を高める一方で、描画負荷を大きくする場合があります。
特にスマートフォンでは、端末性能や通信環境の差が出やすいため、パソコンでは快適でもモバイルでは重く感じられることがあります。
UI改善では、演出を増やすことよりも、操作した結果がすぐ伝わることが重要です。
ボタンを押した直後に状態が変わる、入力エラーがすぐ表示される、メニューがなめらかに開くといった基本的な反応が、安心感につながります。
押したことがすぐわかる画面を目指すことが、INP改善では大切です。
改善はCVに近いページから優先する!
INP改善では、サイト内のすべてのページを同じ優先度で直す必要はありません。
まず取り組みたいのは、問い合わせフォーム、購入ページ、資料請求ページ、予約ページ、ログイン後の操作画面など、成果に近いページです。
これらのページでは、少しの反応遅れが離脱や入力中断につながりやすく、事業成果への影響も大きくなります。
次に、自然検索からの流入が多い記事ページや、比較検討に使われるカテゴリページも確認対象になります。
記事ページでは、本文の表示だけでなく、CTAボタン、内部リンク、FAQ、比較表、目次、アコーディオンなどの操作性も見ておくとよいでしょう。
優先順位を決める際は、Search ConsoleのCore Web Vitals、GA4の流入数やCVデータ、ヒートマップ、フォーム完了率などを組み合わせます。
改善後は、INPだけを見るのではなく、離脱率、CVR、滞在時間、フォーム完了率などもあわせて確認します。
限られたリソースで進める場合は、ユーザー数が多いページとCVに近いページから着手すると、改善効果を説明しやすくなります。
まとめ

INPは、ユーザーがページを操作してから画面が反応するまでの速さを測る、Core Web Vitalsの重要な指標です。
ページ表示の速さだけではわからない、クリック後、タップ後、入力後のストレスを把握できる点が特徴です。
以前のFIDは最初の操作を中心に見ていましたが、INPはページ利用中の複数の操作を対象にするため、より実際の使いやすさに近い指標だといえます。
まずはPageSpeed Insightsで主要ページを確認し、Search Consoleでサイト全体の傾向を把握します。
課題ページが見つかったら、LighthouseやChrome DevToolsを使って、JavaScript、ロングタスク、描画処理、外部スクリプトなどの原因を整理します。
改善では、不要なJavaScriptや重い外部タグを減らし、長い処理を分割し、画面の再描画やアニメーションを軽くすることが重要です。
ただし、最初から全ページを完璧にする必要はありません。
問い合わせ、購入、資料請求、予約など、CVに近いページや流入の多いページから順番に改善すれば、SEOにもユーザー体験にもつながる前向きな取り組みになります。
INP対策は、検索エンジンのためだけでなく、迷わず操作できるサイトを作るための改善です。
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